特に思うことはないのだけど。

11月の最終の日曜日、穏やかな午後の日差しが窓から差し込んで部屋を明るく、暖めてくれる。

毎日が幸せだと思う。私の性格は親しい間柄でも心のどこかがいつも緊張するので、たどり着いた生活スタイルはおのずと一人暮らしとなった。思い起こせば、学生結婚して別れ、さらに2度の離婚をした。3度の結婚相手はそれぞれ性格も異なっていたから、結局のところ、全て私の不徳の致すところである。なんとか定年まで転職はあったものの、サラリーマンを続けられたのは、独立して自営が出来るほどの才覚も度胸も無かったからで、悔しいことがあっても、辛いことがあっても、仕事として割り切ってこれたからだと思う。女房の待つ家に帰ると、おかしな話だが、くつろげなかった。いつも必要のない緊張をしていたように思う。結婚生活で最後までうまくゆく夫婦というのは、多少の我慢もするんだろうけど、そんな我慢も気にならないくらいの相性の良さ、想像力や思いやりとかがお互いにあるんだろうなと思う。

一人暮らしを始めてもう15年は経つけれど、つくづく誰にも気を遣わない今の生活が自分に一番、合っていると感じる。突然、胸が痛みだすとか、呼吸が出来なくなるとか、一人で苦しんで亡くなってしまうかもしれないが、この人生、良かったと諦めもつくだろう。部屋の遺品とか掃除費用とか、火葬費用とか諸々の後始末費用に何がしかのお金を置いておいたり、そうした場合の業者とコンタクトもつけておいた方がいいのかもしれない。 窓の向こうの夕焼けを見ながら、そんなことを思ってみたりした。

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